ゴロスカ

狂人に相応しい終わりを迎えるまでの記録

妹の葬儀は行わなかった。あんな状況で出来るはずがない。ただ斎場で火葬しただけ。火葬後の拾骨時、父は親より先に死んじゃだめなんだよ!何のために苦労して働いてきたんだ、こんな美人なのに、ばかやろう、と泣き叫んでいた。人前であんなに取り乱した父を初めて見た。俺は拾骨で初めて吐きそうになった。だけど懸命にこらえた。葬儀屋さんはとても綺麗に化粧をしてくれた。本当に妹は美しかった。綺麗だった。美人だった。若い頃、原宿や表参道を歩いていると読者モデルに何度もスカウトされてた。服が子供のころから大好きだった。ずっとお金がなかったので安くて可愛い服を探すのに研究熱心だった。美大ではかなり嫉妬を受けて最終的には孤立していた。またゼミの担当教員に虐められていた。それでも頑張って頑張って卒業したけど、頑張りすぎてうつ病になってしまった。もう就職する気力が全く残っていなかった。俺と違って人と交流するのが好きだったのに、うつ病になってからほとんど人と交流出来なくなっていた。部屋の整理をしている時、旅行パンフレットがあった。女性お一人様OKのページに付箋が付けられていた。それを見て泣かずにはいられなかった。鞄には木曜日のフルットのキャラ、カッパのアクリルキーホルダーが付いていた。ファッションと漫画と猫と美術が大好きだった。遺影はない。うつ病になって以降、笑顔の写真がないからだ。母への配慮もある。10年位前の飼い猫を抱いて微笑んでいる携帯の小さな画像を見つけた。それをプリントアウトしていつか弟に渡そうと思う。

f:id:gorosuka:20160616030255j:plain