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ゴロスカ

狂人に相応しい終わりを迎えるまでの記録

異邦人

涙が出なかった。ひとすじも涙が溢れなかった。なぜだか異邦人のストーリーを思い出していた。感情が出ない。拾骨は一度だけして、後はずっと目を瞑って合掌していた。火葬場に棺が入れられる時も他の時も全て目を閉じていたか、口を開けて天井か壁の隅を無感情で見ていた。最後に棺に花を入れる時だけ、今まででのそういう場で初めて花のレイアウトに執心していた。花に関心持ったこと一度もないのに。花を美しいと思ったこともたぶん記憶に無い。やっぱり自分は狂ってる。最初からなのかいつからなのかわからないけど本当に狂ってる。だからこんな人生なんだ。誰のことも何も思えないのも情が無いのも人の気持ちが幾つになっても全然わからないことも。葬儀の日の夜にこんなとこでこんなこと書いてるのも。全部狂ってる。鬱だとかパニック障害だとかは途中からなった単なる精神症状に過ぎない。最初から根本的に狂人なんだ。だから幼児の頃から自然に自死願望があったのかもしれない。今まで周囲に守られていたんだ。もう誰もいなくなったから狂人としての結末を迎える。やっと迎えられる。壁の隅にそれが見えた。安堵と微笑。

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